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大日本人

大日本人 通常盤 [DVD]

アール・アンド・シー

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 単にベクトルの問題かもしれませんが。
 その強さじゃなくて向きの問題なのかもしれない。
 この映画の好き嫌いの分かれ目は。

 ごっつ時代のコントにあったいくつかの要素を
 ひとつの枠に投げ込んで、
 その中でキレイに物語として編み上げた、
 というイメージがある。

 思いつくままに書くと。
 実在しないものを実在するかのように描く。
 モキュメント?と言ってもいいのだろうか。
 アウトサイダーへのまなざしは、
 必ずしも突き詰められたものではなく、
 安っぽいと突っ込めるところはあるだろう。
 既存のヒーローものへのリスペクトと、
 同時にそれを茶化すかのような最後の演出。

 +++

 TVで戦いがオンエアされるもそれは深夜枠で、
 一般人の誰からも特に崇められず、むしろ邪魔者扱いされ、
 あくまで仕事として、獣を退治し続ける、
 日本古来のヒーロー(いまやアウトサイダー)大佐藤。
 彼が勝てなかった北朝鮮から来たとされる獣を、
 アメリカから来たヒーローファミリーが、
 ボッコボッコにしてしまう(ここだけ実写)のは、
 あれは笑うべきなのか、悲しむべきなのか。
 海外からの脅威に何も出来ない日本人・・・、
 という、壮大な皮肉なんかな。表層的か。

 全編通して、私は、ひとつのドラマとして観てしまう。
 そして単純に引き込まれた。笑いは、ほとんど出てこなかった。
 もっとグッチャグチャかと思っていたのに、
 筋がしっかりあって、そこに驚いた。
 仕事に疲れた心の弱いおっさんの話であって、
 仕事が大日本人でなくてIT関係だったりしたら、
 いわゆる"普通"のドラマになるだろう。と思う。
 
 金をかけた悪ふざけ、とも見れるかもしれないけれど、
 こんな金のかかった悪ふざけは、そうそうないでしょう。

 そしてヒーローの悲哀、苦悩ということでいうと、
 ごっつ時代のコント、"正義の見方"(コント内ではこの表記)を、
 どうしても思い出しますね。
 YouTubeにも同じようなコメントがありますな。

 ⇒ "正義の見方"はコチラ

 確かに映画のトーンが暗いから、気が滅入るかもしらん。
 でも私は好きだなあ。
 他に似たようなもの、はなかなか思いつかない。

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