星間飛行


 歓送迎会を含むその他飲み会を断る理由なんてひとつでいい。
 行きたくない。これでいい。
 別に格式ばったものではないのだ。
 職場の上司とか、学生時代の恩師とかを招くわけではない。
 ごく内輪で行われる催しだ。断っても角は立たない。
 あとで陰口を叩かれることもあるまい。
 それなのに、はなから行く意志がないくせに、
 ああだこうだと理由をつけた上で結局断り、
 さも自分はあなたたちグループの一員ですよ、
 本当は参加したいのだが、今回は敢え無く・・・、
 でも本当は行きたいのです!
 とアッピールするヤツが私は嫌いだ。
 素直に「行きたくない」となぜ言えぬのか。

 だいたい誘ってもこないのは常習なのだ。
 自意識過剰なのだよ。仲間はずれを恐れてすぎている。
 本当は興味などないクセに、今後のことを考えて、
 譲歩できるギリギリのところで、
 必死にひとつの共同体に喰らいつこうとしている。
 仕事においてはプライドだ何だと偉そうなことを口にする。
 だったらここにおいてもそのプライドとやらを見せ付けろ。
 誇りを持って「No」と言ってみろ。卑屈な笑みを振りまくな。 
 その笑みを見るたびに、私は悲しくなる。
 根暗のクセにネアカを装うあなたを見ていられない。
 いつか「別に根暗でも構わないじゃないですかっ」と、
 不機嫌そうに言っていたではないか。 

 つまるところ、昔の自分を見ているようで嫌なのだ。
 私は、誘いを片っ端から断っていた時期があった。
 手を合わせて頼み込まれても、断ったこともある。 
 そのうちまったく誘われなくなったのは言う間でもない。
 だがその頃から断ることに私は理由をつけなかった。
 「気が乗らない」、「行きたくない」の一点張り。
 そのくせ独りが怖いから、最低限の繋がりだけは保とうとした。
 まあ、結局今、そこで保とうとした繋がりは、ほとんど残っていない。そんなもんだ。
 繋がってるように見せかけても、その実、繋がる意志がないのだから、
 距離が離れたら、それはもう、繋がりなどないも同然になる。

 あなたの、今この状況を取り繕うためだけの、
 立ち振る舞いが、あの頃の自分を思い出させて、堪らんのだよ。
 断言するけど、何も残らないんですよ。
 気づいてるはずなのだけど。気づいていないのだろうか。
 「周りには愛想よく振舞ってますけど、私、心ぜんぜん開いてませんから」
 って、いつかメールに書いていた、あの青臭さはもう棄てたのだろうか。 
 でも、人はそんなに簡単に変わらないと思うし、
 また傍で見ていて、あなたは変わっていないと、私は思う。

 私は青臭いのが好きで、
 あなたには青臭くいて欲しい。
 そういうことだ。

 長く書けばもっと長くなる。
 だが時間とあいなった。

 というわけで、近々バカ高い会費の飲み会に行く。
 南無。

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