雪が降って白くなった
部屋の中。白い。
光が差す窓の前で、彼女が振り返る。
逆光で顔は見えない。
「何を、考えていたの?」
彼女が僕に問いかける。
「昔のこと、考えてたんでしょ」
僕はあいまいにうなずく。
きっと今が、"昔のこと"なのだ。
いつかそうなるのだ。
彼女の顔も、いつか見えてくるのだ。
きっと。
そして別の誰かの顔は見えなくなるのだ。
きっと。
忘れていくのだ。
私は忘れたいのだ。
きっと。
by BUG_life_wave
| 2010-02-03 01:09
| 私事