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焼きプリンを食べながら

 おはようという言葉さえ言えない、
 僕のふがいなさよ。
 誰のいたずらか、
 僕が誰かに近づこうとするたびに、
 見えない力で邪魔をされるのだ。
 そして僕は近づけないのだ。
 磁石が反発するように、見えない力が、
 僕をキミから引き剥がすのだ。
 近づこうとすればするほどに。
 だから、しようと思っていた話すら、
 僕は口から出すことすらできず、
 結局何も伝えられなかったよ。
 食堂の隅で、ひとりでイヤホンをつけて、
 マッシヴアタック辺りを聞いている自分の姿が、
 つまりは、そうやって人を拒絶している姿が、
 最近僕の頭の中を何回もよぎるのだけれど、
 そして言うまでもなく、その"人"とはキミなのだけれど、
 それもやはり伝えられなかったので、
 この計画も白紙になりそうです。
 情けない。
 昨日はSyrupの"不眠症"を聞きながら泣いたよ。
 わけもなく。いやあるけれど。
 誰のいたずらなんだろう、こんなのすべて。

 「おはよう」と、ただ一言、言えればいい。
 そう思う。
 簡単なこと。
 でも今の僕には難しいこと。
 そしてキミはきっと気づいている。
 平気な顔して気づいている。
 僕もまた、平気な顔して気づいている。
 奇妙な壁に。

 おやすみなさい。

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