Blink of memory

 昨日は長電話。眠い。特別な人と。スペシャルなんだろう。彼女は理由を聞きたがった。僕は説明した。しごく感覚的だったけれど。責められたような気もする。最終的には逃げ出す人だと言われた。その通りだと僕は認めた。否定はしなかった。
 彼女は元に戻ることを望んだ。そればかりが頭にあるようで、そればかりだった。僕は突っぱねた。戻れないと。"冷たい人だ"と、相変わらず。そう言われた。どうしたらそんなに冷たくなれるのかと問われる。すっぱり切れるのかと。何にも期待しなければいい、そんなようなこと。僕は応えた。対人関係に、期待などしないことだと。でも彼女は言う。

 「ホントに期待してない人はそんなこと言わない」

 と。

 「君は期待してない、何も求めていないと言うけれど、実はメチャメチャ求めてるでしょ?」

 って。

 図星だった。僕は求めすぎる。そして求めた分が返ってこないと、どうしようもなく、気持ちが壊れる。背中を向ける。ものすごく求めてるのに、ぜんっぜん求めていないポーズをする。君なんて、僕の人生には関係ないよってふり。ふり。ふりでしかないんだ。いつも。なんて悲しい子供。だから僕は、求めすぎて返ってこない、その状況がたまらなく、たまらないので、自分は何も求めてないんだって、自分に言い聞かせて、求めすぎる気持ちを押し込める。遥か彼方へと。誰の手も届かないところへ。僕は人に深入りしなくなり、そして誰も僕には近寄らなくなる。自業自得。身から出たサビ。

 それを、というか、僕が自分について思っていることを、君は君で感じていたんだなあ。見抜いていたというか。さすがだなあ。いい話じゃないのに、僕は少し笑ってしまった。感動、とは違う。衝撃だ。「おあ、分かるんだな」って。僕の性質?と言うか何と言うか。たぶん親や兄弟でも僕のことをそこまで分析(という言葉は大袈裟だろうか)してはいないだろう。
 それだけ君には晒していたということなんだね、きっと。

 でも何かが足りない。そう思う。何かがない。自分の中に。
 でもいつか戻るなら・・・ってそう思う。

 こんな気持ちはもういいよっていつも思う。グルグルするたびに。過去からも、君の思い出からも、これから出会うかもしれない誰かからも、僕は逃げ出したい。誰にも捕まりたくない。こんな気持ちはもういいよって。そう思うから。

 何か壊れているな。最近は。ガタガタだ。誰との会話も弾まないよ。
 話をしたい人はいるんだ。でも求めすぎるから、意識的にブレーキかけると、僕は極端だから、何も話さなくなるんだ。そして逃げ出すんだ。"ふり"をするんだ。求めているのに、求めていないふりを。

 そんな"ふり"に気づくのは―
 
 やっぱり、君しかいないんだろうか。

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