頭は霧の雨
ほとんど痴話げんかだったなあ。
「ホント、自分勝手ですよね」
って、呆れたような、怒ったような顔で言われた。
「話したく、ない?」と聞く。
「いやあ・・・・」と首を傾げられた。
周りに誰もいなかったからいいけど、
いたら何話してるんだかって内容ですね。
「たぶん誤解してるよ」と言う。
「もう、そういう、いいわけとか、聞きたくない。面倒くさい」って。
仕事するべき場所でこの会話。なくね?
確かに私は勝手だ。勝手に彼女を置き去りにした。
この2、3週間、
私の中にある思考回路で何が起きていたかは、
説明できるのだが、彼女は聞く耳を持ちそうにない。
聞いたところで納得もしないと思う。
話したくないと言う彼女に、
私は「分かりました」としか言わなかった。
言いながら、妙に落ち着いた気持ちであった。
場に似つかわしくないかもしれないが、
かすかに笑いさえ浮かべていたような覚えがある。
怒られて、少し喜んでいる私も、どうかしている。
明日、メールでもしてみるか。
2、3週間ぶりに、声をかけたのは、
君が夢に出てきたからだと。
でも明日彼女はイレギュラーな休みの日。
デートかもしれない。
以前ほど嫉妬はしないけれど、でも嫉妬するなあ。
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パソコンの溝にたまった汚れを、
クリップの先でほじっていたら、
塗装がはげて白いボディが覗いています。
ああ・・・ついてない。