大日本人
単にベクトルの問題かもしれませんが。
その強さじゃなくて向きの問題なのかもしれない。
この映画の好き嫌いの分かれ目は。
ごっつ時代のコントにあったいくつかの要素を
ひとつの枠に投げ込んで、
その中でキレイに物語として編み上げた、
というイメージがある。
思いつくままに書くと。
実在しないものを実在するかのように描く。
モキュメント?と言ってもいいのだろうか。
アウトサイダーへのまなざしは、
必ずしも突き詰められたものではなく、
安っぽいと突っ込めるところはあるだろう。
既存のヒーローものへのリスペクトと、
同時にそれを茶化すかのような最後の演出。
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TVで戦いがオンエアされるもそれは深夜枠で、
一般人の誰からも特に崇められず、むしろ邪魔者扱いされ、
あくまで仕事として、獣を退治し続ける、
日本古来のヒーロー(いまやアウトサイダー)大佐藤。
彼が勝てなかった北朝鮮から来たとされる獣を、
アメリカから来たヒーローファミリーが、
ボッコボッコにしてしまう(ここだけ実写)のは、
あれは笑うべきなのか、悲しむべきなのか。
海外からの脅威に何も出来ない日本人・・・、
という、壮大な皮肉なんかな。表層的か。
全編通して、私は、ひとつのドラマとして観てしまう。
そして単純に引き込まれた。笑いは、ほとんど出てこなかった。
もっとグッチャグチャかと思っていたのに、
筋がしっかりあって、そこに驚いた。
仕事に疲れた心の弱いおっさんの話であって、
仕事が大日本人でなくてIT関係だったりしたら、
いわゆる"普通"のドラマになるだろう。と思う。
金をかけた悪ふざけ、とも見れるかもしれないけれど、
こんな金のかかった悪ふざけは、そうそうないでしょう。
そしてヒーローの悲哀、苦悩ということでいうと、
ごっつ時代のコント、"正義の見方"(コント内ではこの表記)を、
どうしても思い出しますね。
YouTubeにも同じようなコメントがありますな。
⇒ "正義の見方"はコチラ
確かに映画のトーンが暗いから、気が滅入るかもしらん。
でも私は好きだなあ。
他に似たようなもの、はなかなか思いつかない。
by BUG_life_wave
| 2009-07-19 01:29
| テレビ/映画