『ハルフウェイ』
なんとなくキタガワさんに苦手意識を持っていたのですが、
この作品は好きですね。
虫が好かないというような理由で嫌っていた自分を省みます。
"途中"という意味のhalfwayを読み間違えた"ハルフウェイ"、
このタイトルに示されるように、物語は途中で終わる。
だけど現実というものには始まりも終わりもないでしょう。
いつだって物語、言い換えれば人生は、途中のまま、そこに流れている。
僕らはいつだって途中を生きている。
その現実を切り取ったように、途中から始まり、途中で終わる。
この潔さがいい。胡散臭さもないし。
タイムリミットを抱えた高校時代特有の焦燥感と、
それがゆえの思いの強さと、一事が万事の世界観。
青春と言うと安っぽいけど、にやけた笑いでごまかすようで、
その裏で必死に何かを思ってる、あの青臭い感じがあって、
そこがたまりません。刹那的であるが故の矛盾。
結論として、やっぱり好きな人にはそばにいてほしいよね。
そう思います。どう考えたって、それが素直な気持ち。
だから最後にあの涙目に見える瞳で、
笑いながら"何か問題でも?"というように、
まっすぐに問いかける、そこにある強さが胸を打ちます。
やっぱり私は岩井俊二好きなんだなあと思う。
実際関係ないかもしれないけれど。
by BUG_life_wave
| 2010-02-09 21:29
| テレビ/映画