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こんな思いもすぐに消えて無くなっちゃうのかな

引き続き、リリー・フランキーさんの『東京タワー』を読む。読み終えたらまた何か書こうと思うが、今、とりあえず何か書いておきたい。

物語は、いや話は佳境である。それが分る。親子3人で東京タワーの見える部屋にいるシーン、そこまで読んで僕は手を止めた。

僕は人間関係をないがしろにする。ほったらかしにする。恩がある人にも平気で連絡をとらなかったりする。なぜなのかよくわからない。でも、『東京タワー』を読んでいると、人と人のつながりが、世界で、宇宙で、一番大事でかけがえのないものに思えてくる。いや、実際そうなのだとさえ思う。それ以上に必要なものなどきっとないだろう。他のどんなもの、形でも、代用の利かない、人間同士の関係。

僕は自分の行動を悔やむ。人との関係が大事だって、頭ではわかっていても、行動で示さない僕は、まだまだガキなのであろう。駄目なやつなのであろう。

そして僕は思い出す。大学時代の友人(いや僕は今でも彼を友達と思っている)が言った言葉。少しだけ寒い日だった。キャンパスにあるベンチで、ポケットに手を突っ込みながら、話をしていた。インターネットが、少しずつ日常的に、当たり前のものになり始めている、そんな時期だったように記憶している。どんな流れだったか忘れてしまったが、「チャットだなんだって言ったってねえ――」と彼は言い出した。「しょせん生身にはかなわねえよ」って。

ホントそう思うよ。その思いをかみ締める。

『東京タワー』、明日は読了するだろう。

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