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好きな人もいないのに

 新しいこと、って何を念頭においていたわけでも。
 それでも今日、
 僕は七年以上続いていた、ひとつの関係性にピリオドを打った。
 恋、をなくした。
 それはきっと以前から、今日以前から、なくなっていたんだろう。
 君もそう言っていたもんな。
 終わった。終われた。
 君もスンナリと受け入れたのは、覚悟していたんだろう。
 そんな話ばかり、2人でしていたから。笑いながら。

 君は僕を泣かせるのが本当に上手になったようで、
 涙目のクセに、笑いながら、
 「本当に、楽しかったよ」って言ったね。
 「君の方が、先に彼女できそうだよね」って言うから、
 僕も「そっちはできても長続きしないかもな」って返した。
 そしたら君は、ちょっと笑って、
 「うん・・・この七年間は、奇跡でしたね」って。

 君が僕の人生から消えるわけではないし、
 連絡を取らなくなるわけでもない。
 一緒に出かけたりすることもあるんだろう。
 「これからも、君の髪をカットしてあげるよ」と、
 君はマジメな顔で言ってくれたね。
 これまでと、大して、変わらないと、そう思えるけれど。
 何が変わるんだろうって、思うけれど。
 
 でも、なくなってしまったものがある、確かに。
 
 それが取り戻されることがあるのかどうか、僕は分からない。
 君は僕の部屋の鍵を持ったままだし、
 僕の部屋には君のものがまだ沢山ある。
 そのうち取りに来るって君は言っていたけど。
 
 戻ることはあるのかってしきりに君は聞いてきた。
 僕は自分から言い出したくせに、君よりも泣いていて、
 君を家まで送り届けた後、別れ際には君の顔を見れなかった。
 駅に向かう最中、僕の顔は何回もゆがんでしまった。
 
 なぜだろう。なぜだろう。
 いつかこれでよかったって、きっと思えるだろうに。

 いつから壊れていたのかな。
 タイミング、どこで逃したのかな。

 けっこう元気だから、大丈夫だよ。
 これからも、君の人生に僕はいつづけるから。
 君がどこに行ってもね。
 
 考えてみたら、僕はひどいことしている。
 君を裏切ったね。
 君がして欲しいことをしてあげなかった。
 自分勝手に生きてきた。
 だったらこれでホッとしていいはずなのに、
 僕は、手を着く場所を探してグラグラしている。

 今だけさ。今だけさ。
 よくある話なんだ。

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