ありがとう さようなら ごめんなさい
"互いにとって幸せが違ったみたい"
都合のいい言葉、かもしれない。
でも1番、相応しい。
君は形を欲しがった。
私は形などいらなかった。
ただ、拠り所を求めていたのだろう。
君は、その先にある、
ゆるがない未来を、望んでいた。
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みなさん、花見、しましたかね?
私は、していません。
別に、理由などないけれど。
散った後は、清清しさと、切なさと。
満ちていたものが、なくなっていく。
でも、桜はまた同じ場所で咲きますね。
私は、どうだろう。
+++
君が私にくれた1番大きなものは何だろう。
考える。
自信。きっと。
今でも自信はないけれど、
君と出会った頃に比べたら。
それは単に年をとって経験を重ねたからではないだろう。
君との出会いが1番大きかった。
逆に、君に何をあげられただろうと、考える。
何だろう。
いつか聞いてみたい。
本当に、ワガママな私を、理解しようと、
全身全霊でぶつかってくれた。
そしてお互いのために、決断をしてくれた。
理由は、色々、あるのだろうけれど。
君を、想ってくれる人の存在も、大きかったかもしれない。
私よりも、ずっとずっと、君の事を考えてくれる人。
今までたくさん悲しんだ分、たくさん笑えるといい。
昔あった楽しいことを思い出して、
今、それがなくなったことが悲しく思えたら、
過去よりも、未来を思えばいい。
なくなったものよりも、手に入れるものを、
これから起こる素敵なことを、楽しいことを、
頭に思い描けばいい。
私はそうするようにしている。
+++
君の荷物が、この部屋からなくなったら、
本当に、私の生活から、君が消えていく。
そんな気がする。
桜が散るように。
清清しいくせに、とても、寂しい。
置きっぱなしにしないなんて、
本当に、ちゃんとしてるなあ。
これから先も、連絡を取るだろうけれど、
荷物を取りに来るそのときが、1番言うべきときだから、
きちんと言おうと思ってます。
"ありがとう"という言葉と、
"ごめんなさい"という言葉と。
私はきっと、泣いてしまうな・・・。
でも笑ってやろうと思ってます。
そのあとで、メールを書こう。
桜散る。
でもまた咲きますから。
ね。
- 臼井嗣人「花吹雪」 -